■ 平成28年度 院外講師によるカンファレンス等の報告

平成28年9月15日(木) 帝京大学医学部附属病院感染制御部 松永直久先生

先日、今年度3回目となる松永先生による感染症カンファレンスが行われました。今回のテーマは「糖尿病と感染症」。両者はどの診療科であっても関わらずにはいられない、密接に関連し合った疾患なのだというお話かと思いきや、「本当に感染症は糖尿病の危険因子なのか」という問いかけから講義は始まりました。糖尿病ってあれでしょ?局所の血流障害が出るし、好中球もうまいこと運ばれなくなるし、だからすぐ感染しちゃうって習ったけど?・・・結論から述べると、死因に占める感染症の割合は糖尿病患者と一般人の間に有意差は認められず、Strong Evidenceに乏しいという研究結果があるとのことです。ただ糖尿病により発生率が上昇する感染症はやはりあるようで、その代表ともいうべき足趾感染に関して、先生が実際に経験した症例をもとにレクチャーしてくださいました。全身状態の評価はどうするのか、深部病変の評価は何を見るのか、感染の状態(開放創のない蜂窩織炎、悪臭を伴う壊疽など)から起因菌として何を考え、empiricにどの抗菌薬を選択するのか。つまり、糖尿病でも基本は同じ。感染症治療においては、どんな微生物が、どこに感染しており、それに対してどの抗菌薬を使うのかという三角形を意識するという非常にシンプルなものです。感染症は知識が膨大で複雑で奥が深く、とてもじゃないけど手に負えない、そんな一年目研修医の弱音だらけの背中をぐっと一押しし、丁寧に考えることの重要性を再認識させていただける。松永先生の感染症カンファレンスはそんな貴重な時間です。
初期研修医1年目 藤沼 俊介

■ 平成27年度 院外講師によるカンファレンス等の報告

平成28年2月25日(木) 帝京大学医学部附属病院感染制御部 松永直久先生

2月25日に本年度5回目となる松永先生の感染症カンファが開催されました。今回は久しぶりに研修医ではなく、循環器内科の千葉がカンファレンスの報告をいたします。

平成21年度から松永先生にお越しいただくようになってから7年が過ぎました。松永先生の超多忙なスケジュールの中、数年前から年に5回も当院にお越しいただき、カンファを続けています。これだけ続けていると、研修医たちにも感染症マインドが醸成されてきており、年老いた各科のスタッフが変なことを言おうものなら、その場の空気が変わり、あとから突っ込みが私のところに来ます。私も決して感染症が得意ではないのですが、長年にわたって松永先生の話を聞いているので、それなりのコメントができるようになってきました。

さて、今回は1年間のまとめ的な内容で「免疫不全患者の感染症総論」というタイトルでした。要点をまとめると・・・、

感染症診断のロジックとして
●患者背景を理解する
●どの臓器の感染症?
●原因となる微生物は?
●どの抗菌剤を選択?
●適切な経過観察
という基本原則は免疫不全患者においても何ら変わることはない。
ただし、免疫不全患者においては、
●免疫不全の種類で想定する感染症は異なる。
●さらに、想定しないと診断・治療はできない。

と、まとめられます。そうですよね、摘脾した患者さんとHIV感染患者では、当然想定する感染症は異なりますね。そういった感染症の基本を、免疫不全患者に絡めてまとめていただきました。

松永先生のカンファを聞くといつも思うのですが、症例を上手く組み込んでいて、眠くなりそうな研修医の脳みそに何とか焼き付けようと、いろいろと工夫がされています。普段から考えて診療にあたらないと、印象的な症例を選ぶのは難しいと思うので、さすが松永先生だと改めて思ったカンファでした。
カンファのあとは、いつもは質問タイムとなるのですが、今回は初期研修を終える2年目の研修医からの提案で、立食形式でお礼の食事をしました。2年目の研修医からプレゼントを渡されると、松永先生はとても喜んでくださり、さらに2年目研修医一人ひとりに本をプレゼントしてくださいました。もちろん松永先生が編集した感染症の本も含まれますが、そのほかに各研修医の進路にあわせて1,2冊を選んでくれていました。研修医たちもかなりうれしかったようで、本にサインをいただくなど楽しい時間でした。

新年度も松永先生のカンファは4月から始まります。新しい研修医を迎えて、新たな気持ちで頑張りましょう!

平成27年11月10日(火) 帝京大学医学部附属病院感染制御部 松永直久先生

初期研修医1年目 松永 宇広
定期的にご講演に来ていただいている松永先生による感染症レクチャーが11月に開催されました。今回は人工物・デバイス感染について講義をして頂きました。講義のスライドには、人工物・デバイスの様々な写真が組み込まれておりました。写真や症例では診断の2つの軸を考えながら、自分なりに考えて授業に参加し楽しく学ぶことができました。実際の症例をもとに解説して頂き頭に残りやすい講義でした。各々の抗菌薬の使い方は知っていることを前提に、実際の症例でどのような抗菌薬を使用するかを教えて頂きより実践的な講義の内容でした。また、人工物・デバイスの感染症では、疑うこと、抜くこと、静注での治療が基本であることを学びました。講義と講義の間の休憩時間では、私たち研修医が担当している患者さんの疑問に答えて頂きありがとうございました。
今回、私たち研修医からも症例の発表をして良い議論ができて大変勉強になりました。松永先生のご意見を聞けて大変参考になりました。
今回のレクチャーでは、抗菌薬の基本的な使い方は知っていることを前提に実際の症例でどのように治療したかを講義して頂き深く学べました。松永先生に教えて頂いたことを、実際の臨床で活かしていきたいと思います。お忙しい中、大変貴重な講義をして頂きまたご丁寧なご指導をありがとうございました。
 

平成27年9月17日(木) 水戸協同病院 徳田安春先生


初期研修医2年目 日向 勝之
草むらの背後から聞こえてくる鈴虫の音色に、秋の訪れを感じ始めた初秋の候、総合診療の徳田安春先生による症例カンファレンスが開催されました。今回の症例は初期研修医1年生の川原有貴先生によるcrowned dens症候群でした。
 特に今回のカンファレンスでは川原先生による“振り返り”(自己反省?)が凄まじく、カンファレンスの最後に、徳田先生をもってして、「ここまで素晴らしい振り返りは見た事がない!素晴らしい!総合診療科向きだ!」との言葉を頂戴しました。川原先生が今回の症例に対して深く勉強し、反省し、絶対に次に生かそう、繋げようという決意が伝わってくる内容でした。Crowned dens症候群を経験していない私たち研修医は、症例そのものに対して勉強になった事はもちろんですが、さらに個々の患者に対する丁寧な日常診察の重要性も大変勉強になりました。また徳田先生の講義の中で、Basic ADL:DEATH、SHAFTTが登場しました。
【DEATH】
 ・DRESSING:衣服の着脱
 ・EATING:食事
 ・AMBULATION:移動
 ・TOILET:排泄
 ・HYGIENE:入浴
【SHAFTT】
 ・SHOPPING:買い物
 ・HOUSE KEEPING:掃除
 ・ACOUNTING:家計管理
 ・FOOD:食事の準備
 ・TRANSPORTATION:交通機関の利用
 ・TELEPHONE:電話の使用
患者のADLを把握しておく事は極めて重要な事だと改めて痛感し、翌日以降の救急外来で早速応用しております。また症例カンファレンスの途中で発熱の鑑別疾患についての議論がありました。いわゆる感染症・膠原病・悪性腫瘍はもちろんのことその他にも創部感染や術後の反応熱、薬剤熱など様々な意見が挙がりました。その中でも特に研修医1年目の先生たちの発言が実に鋭い内容で、半年前とはまるで別人のようで圧倒されました。成長の凄まじさを目の当たりにして、研修医2年目の私は取り乱しそうになりましたが、出来るだけ表情に出さずに平静を装う事に努め、また同時に良い刺激となり、さらに精進しようと新たに決意した次第です。
 上記のように我々水戸済生会病院の研修医は、様々な機会で議論しお互い切磋琢磨し、あるいは挫けたり、時には励ましあい、日々研修しています。
 徳田先生、ご多用の折、我々研修医のために分かり易く丁寧な指導を頂きありがとうございました。またこのような機会を設けていただいた関係者の皆様、ありがとうございました。

平成27年9月8日(火) 帝京大学医学部附属病院感染制御部 松永直久先生

■□■今回は二人の研修医の感想です■□■
初期研修医1年目 中前 亨介
今年度に入り早3回目となる、松永先生による感染症の講義がありました。今回は「感染症Emergency」というタイトルで、過去2回の講義の内容をもとに緊急を要する感染症疾患の考え方や、実際に松永先生が経験された症例を題材に講義していただきました。緊急疾患においても通常の感染症と考え方は基本的に同じで、「どこに、なにが」感染しているのか、あるいは感染が局所なのか全身なのかを的確に見極めることが診療の第一段階であるということでした。その中で、病歴聴取やHead to Toe examといった基本の重要性を再認識しました。松永先生が実際経験された症例では、衝撃的な画像が多く、そちらにばかり目が行きそうでしたが、ここでも細かい全身の診察により所見をとることの大切さを教えていただきました。また、各症例で抗生剤は何をどのくらい使うのかといった、すぐにでも実践で使える知識を教えていただきました。研修医側からの症例提示は、感染性心内膜炎の症例でした。松永先生の講義の中でも触れられた疾患であったということもあり、診断は分かりましたが、実際の現場で患者さんを前にして診察・診断ができるのかという点で考えさせられました。
お忙しい中、時間を割いていただき、分かりやすくご指導してくださいました松永先生、ありがとうございました。

初期研修医2年目 渡邉 久美子
2ヶ月に一度の松永先生の感染症講義の日!
本日は感染症Emergencyというテーマで講義してくださいました。
化学的・物理的に微生物を排除するという感染症治療の2つの軸から、化学的には何の微生物が・どこに感染しているのか・その微生物をカバーする抗菌薬は何か、という三角形での考え方を、髄膜炎、壊死性筋膜炎、感染性心内膜炎(IE)などの疾患を例に挙げてトレーニングしていただきました。
こちらで用意させていただいた症例もIEだったため内容的に重複してしまいましたが、先生の講義を聞いた後に実際にIEを疑い、検査・治療をすすめていくというシミュレーションになり、またみんな発言が積極的で楽しいディスカッションになったのではないかと思います。
日常診療の中できちんと必要な(そして必要以上でない)抗生剤を選択できるよう、常に考えて使っていかなきゃいけないな、と気持ちが引き締まる講義でした。

平成27年6月25日(木) 帝京大学医学部附属病院感染制御部 松永直久先生

初期研修医1年目 沢田 歩
私たち研修医1年目にとって2回目となる、松永先生による感染症レクチャーが開催されました。前回は感染症診療の基本となる診療の型や、感染部位から微生物を考えること、血液培養2セット!!などたくさんのことを学びました。今回のレクチャーでは、各々の抗菌薬の使い方などより実践的なことを教えていただきました。この抗菌薬はこの細菌はカバーしてるのか、緑膿菌には有効なのか、嫌気性菌には使えるのか、髄液移行性はあるのか、覚えておくべきポイントを押さえながら、実際の症例を示しつつ学ぶことができました。休憩時間の合間にも、私たち研修医が担当している患者さんの疑問に答えていただき、とても勉強になりました。

前回のレクチャーから早2ヶ月が経って、自分なりにも抗菌薬の本を多少は読んだりしていましたが、知らないことの多さに愕然としました。松永先生に教えていただいたことを頭に入れて、実際の臨床で悩みながらもスマートに、抗菌薬を選択できるようになりたいです。
お忙しい中、私たち研修医のために分かり易く丁寧にご指導してくださった松永先生、本当にありがとうございました。


平成27年5月14日(木) 水戸協同病院 徳田安春先生

初期研修医1年目 藤田 開
私たち研修医1年目にとって初めてとなる、徳田安春先生による症例カンファレンスが行われました。徳田先生といえば、あの「ドクターG」など数多くのテレビ番組にも出演されている総合診療のプロフェッショナルの先生です。今回貴重な講義を受ける機会があったので、報告いたします。
カンファレンスは、私たち研修医が実際に経験した症例を提示し徳田先生を中心にディスカッションを行っていくという形で進行しました。現病歴や身体診察、検査所見など小出しにされる患者情報に対して、その都度キーワードを拾っていき鑑別疾患や予想される患者の状態などを考えていきます。私たち研修医が臨床で何気なく見落としている情報に対しても、総合診療医の先生はここまで緻密に考えているのかということを知ることができ、自分の考えの不十分さを知るとともに明日からの診療に生かしていこうと思いました。また今回の症例のように熱源が不明な症例で主訴から情報が得られない場合、review of systemの重要性を再認識しました。
カンファレンスに続いて行われたミニレクチャーでも、貧血は手掌線でみる、原因不明の発熱などに対しては”STSTA”の問診を行うこと、”FATIGUE”の鑑別疾患を考えることなど、どれも実践的で重要なことばかりで大変勉強になりました。
お忙しい中我々研修医のために貴重なお時間を割いていただいた徳田先生、本当にありがとうございました。

平成27年4月23日(木) 帝京大学医学部附属病院感染制御部 松永直久先生

初期研修医1年目 後藤 淳一
私たち1年目にとっては初めての松永先生による感染症講義だったこともあり、感染症診療の基礎の基礎について幅広く講義していただきました。研修医としての仕事が始まって1か月近くが経ち、日々の診療においてぶち当たる様々な疑問を松永先生に質問でき大変有意義な時間となりました。ちょうどその頃担当していた患者さんに対し、血培にて起因菌とおぼしき菌がみつかり、より適切であろう抗菌薬に変更したばかりで、本当に抗菌薬を変更してよかったのだろうか、もしこれで悪化したら・・・と毎日経過をみているときでした。そのことを思い切って松永先生に打ち明けたところ、「医療の洗礼を受けたね。そうやって常に悩むことが重要で、いつまでもその気持ちを忘れないように」とのお言葉を頂きました。学生の頃から抗菌薬を適切に使えるカッコイイ医師になりたいと思い、原因菌がわかればすぐにその菌を叩くのにベストな抗菌薬を選ぶんだ、と思っていましたが、実際に患者さんを目の前にすると、まさに「言うは易く行うは難し」、だと実感しました。定期的にこのような講義を受けることができ、日々の疑問を解決できる場があることをうまく活用し、感染症診療に強いカッコイイ医師を目指し続けたいと思います。

平成27年2月17日(火) Dr.ダリワリ 教育回診

後期研修医 郡司 真誠
当院で初めて、ダリワリ先生にお越し頂きカンファレンスを行いました。ダリワリ先生はUCSFの内科教授でGIMが専門です。かの有名なティアニー先生の一番弟子で、UCSFではBest teacher賞を何度か受賞している先生です。今回は初期研修医が鑑別に悩み苦労した症例を提示してもらいました。2例はすでに回復し退院した症例でしたが、現在入院中の患者様にも協力いただき診察も見学させていただきました。
 初期研修医の慣れない英語でのプレゼンに対してもやさしく、鋭く、ところどころに鑑別のエッセンスを盛り込みながら解説してくださいました。実際の症例では教科書のようにきれいにデータがそろうわけではなく、頭を悩ませることも多いです。しかし、理論的にどのデータを重要視し、どのデータが重要でないかの見分けるポイントなども解説していただき勉強になりました。
 ダリワリ先生は僕たち研修医のためにやさしく丁寧に御指導くださりありがとうございました。また、このような研修の場を作ってくださった先生方にも感謝いたします。

平成27年2月5日(木) 第16回茨城県央県北レジデントセミナー~鑑別診断道場~

初期研修医1年目 日向 勝之
今年度3回目の県北・県央レジデントセミナーが当病院で2月5日に開催されました。
 今回の症例は水戸協同病院の研修医の先生と、ひたちなか総合病院の研修医の先生がそれぞれ【若年女性意識障害】、【不明熱の鑑別疾患】ということで、両先生とも素晴らしい発表をしていただきました。
 セミナーのスタイルとしては前回・前々回と同じように症例提示の途中で発表を一旦中断し、鑑別疾患や、検査方法などをグループに分けて議論する形です。デイスカッションに関してですが、第1あるいは第2回目の県北・県央レジデントセミナーに比べて、明らかに発言出来るようになります。(自分だったらこう思う、と発言出来るこの)事実を認めることは、とりもなおさず自分自身が成長したことを認めることになりませんか?
また、提示された症例に対して同期が自分とは異なる色々な考えを知ることは大変な刺激となりました。特に自分では思いつかないような疾患へのアプローチの仕方や考え方を聞くことで、改めて自分の不十分さを痛感させてもらえました。また、他病院の研修医の発表を聞くことは、当病院での研修医としての立ち位置を相対化することにも繋がり、さらに十分な刺激となりました。
 自分が症例の当事者になったつもりで、そして今持っている知識と経験を総動員して周りの研修医とともに問題にアプローチする思考はなかなかエキサイティドゥなものでした。そして総動員した知識と経験をもとに、我々水戸済生会初期研修医1年目のグループは症例提示された疾患に対して(診断名が)外れ、隣の医大生のグループはキッチリ当てるといった事実に愕然としました。
 セミナーの最後には当院救急科の稲葉先生のお話がありました。救急医の魅力に関するお話を、小さな笑まで含めるとほぼ一分間に一回の頻度でユーモアたっぷりに語っていただきました。
 明日からまた頑張ろうと思う一日でした。

平成26年12月4日(木) リチャード・ビルラー先生

初期研修医1年目 橋尻 洸陽
肌寒さもひとしお身に染みるようになった12月4日、リチャード・ビルラー先生に当院においでいただき、講義を受ける機会がありました。
「救急科ローテ中の研修医2名が実際に経験した症例(外因性及び内因性をそれぞれ1症例)をプレゼン→ビルラー先生による質疑応答」という流れの2時間でしたが、その濃密な時間はあっという間に感じられたほどです。
テーマは外因性症例では外傷におけるprimary surveyについて、内因性症例では感染に伴う脳症の診断と治療についてでした。綿密に準備したつもりであったプレゼンでしたが、先生の研ぎ澄まされた質問はやはり目の付け所がシャープで、しどろもどろになってしまいました。また、先生はその聡明な語り口に加え、美麗な容姿をされており、包み込むオーラに圧倒されました。
 アメリカと日本の救急システムや救急対応の違いについてなど、興味深いお話を第一線でご活躍されている先生から直接うかがえたことは貴重な経験になったと思います。
 慣れない英語でお聞き苦しかったことと思いますが、またこのような機会があることを密かに期待しています。

平成26年11月13日(木)14日(金) ピーター・バーネット先生による医学教育

初期研修医1年 渡邉 久美子
ピーター・バーネット先生
ニューメキシコ大学医学部臨床医学准教授
(行動科学、家庭医療、老年科をはじめ幅広い分野に習熟しておられ、全国各地で若い医師らの育成に携わっていらっしゃいます。)

年に一度のバーネット先生!!
1日目は主にワークショップ形式で「Delivering bad news」と「Palliative care」などについて話し合いました。普段は患者さんへの病状説明も指導医の横で頷いていることがほとんどの私たちですが、自分が主治医としてどのように患者さんと接していくべきか、具体的な場面を想定してシュミレーションしました。コメディカルの皆さんにも参加いただき、各グループ内のディスカッションが盛り上がって楽しかったです。
2日目は「How to give feedback」「Difficult communication」などのテーマに沿って症例提示をしながら、こんな時どうしたら良かったのか、バーネット先生から今後の助けとなるようなレクチャーをしていただきました。普段はいい加減になってしまいがちな細かい部分への配慮まで含まれており、日常業務から一時離れて日頃の自分を振り返ることができる良い機会となりました。私個人としては、どんな事情がある時でも患者さんが怒っている時には「I’m sorry for your anger.」と伝えようかな、と思いました。

バーネット先生が回ってくれた近隣研修病院のドクターが集まっての送別会も楽しかったです。

そしてみんな思ったことでしょう。
「英語も勉強しなきゃね…!!」
(通訳を引き受けてくださった看護師のNさんにはひたすら感謝!です。)

平成26年11月11日(火) 帝京大学医学部附属病院感染制御部 松永直久先生

初期研修医1年 貝塚 博行
松永先生の講義は今回で4回目となりました。今回は感染症Emergencyというテーマでした。緊急疾患であれ、過去3回のレクチャーで教えていただいたような感染症の診断・治療のポイントは変わりません。なぜ、緊急を要する病態なのかを時間、重症度、部位などから想定し、診断・治療を行います。しかしながら、緊急時には診断・治療の同時並行が必要であり、バイタルサインの安定化が最重要である点がポイントです。また、講義の中で皮膚所見は大切であり、まれに重症化のサインとなることも教えて頂きました。紫斑を生じた壊死性筋膜炎の症例を提示して頂き実臨床に沿う診断・治療のプロセスを学ぶことができました。また、研修医からの症例提示では市中肺炎の際の入院の適応、抗生剤の選択、点滴から内服への切り替えのタイミング、退院時期などを考えるものでした。実際、自分が病棟で働いてい るときは上級医に任せてしまう場面が多々あります。しかしながら、今後は自分が主治医となります。主治医となったときを想定することはとても重要であり、新鮮なものでした。今後、感染症はどの科の医師になってもついて回ります。感染症に遭遇した時に今回学んだことを活かしていければと思います。

平成26年6月26日(木) 帝京大学医学部附属病院感染制御部 松永直久先生

初期研修医1年 中川 明香
感染症を考えるにあたり、感染部位、原因菌を考えることは、前回のレクチャーで教えていただきました。今回は、尿路感染症、髄膜炎、肺炎など私たちが経験した症例とともに、原因菌と抗菌薬についてレクチャーでした。各症例で考えられる起因菌について、市中、院内で考えられる起因菌が違いました。そして、抗菌薬のそれぞれの特性を学びました。グラム陽性球菌には、グリコペプチド、リネゾリド、ダプトマイシン、グラム陰性菌には、モノバクタム系、嫌気性菌にはメトロニダゾール、グラム陽性菌+嫌気性菌にはグリンダマイシン、グラム陰性菌+非定形菌はシプロフロキサシン、緑膿菌にはゾシン、セフタジジム、カルバペネムなどが効くというように、大きく原因菌をとらえ、抗菌薬を選択するやり方を学びました。臨床の場で体験した症例から考えたことで、抗菌薬の選択のプロセスが学べました。
私たちからの症例提示は、小児の尿路感染症でした。小児の発熱で考えられるのは、感染症が一番であり、ウイルスか細菌を考えなければなりません。今回は、紹介を受ける前に抗菌薬投与を受けており、培養からは何も検出されませんでした。尿路感染症と考えられ、ユナシンが開始され症状が落ち着いていたため、退院となりました。しかし、再び発熱し、培養を提出したところ、ESBL産生性E.coliが検出され、カルバペネム系を選択しました。抗菌薬を使う前には、培養を提出することが大切であり、感染部位から抗菌薬を選択し、そして、原因菌が特定され感受性を調べたら、より効く抗菌薬を選択するとういう流れを学ぶことができました。
これから、さらに様々な感染症に出会うと思います。まだ覚えられていない抗菌薬を一つずつ覚えながら、臨床に活かしていきたいと思います。

平成26年5月28日(水) 水戸協同病院 徳田安春先生

初期研修医1年 日向 勝之
今回、第一回目の徳田安春先生による症例カンファレンスが行われました。最初に私たち研修医が日常診療の中で実際に遭遇した症例を提示しつつ、徳田先生を中心としたディスカッションが行われました。

今回提示した症例は意識消失・麻痺を主訴として受診された方でした。徳田先生の方から、意識消失といっても失神なのか意識障害なのかまずは考えていこうということから始まりました。失神の原因としては、血管迷走神経性失神や心臓疾患(例えば、不整脈・弁膜症・肺塞栓、大動脈解離など)、さらに不整脈(アダムス・ストークス発作)、低血糖、過換気症候群、神経疾患、薬剤などが研修医側からあげられました。その後、詳細な問診から得られた情報(現病歴、既往歴、内服歴など)をもとにプロブレムリストを作成し、問題解決を図るという方式でした。
 次に徳田先生のミニレクチャーが行われました。特に印象的だったのは寄生虫疾患についてでした。臨床の現場で実際に鑑別診断を行う際に、忘れずに頭に入れておかなければいけない疾患の一つだと実感しました。

今回初めて徳田先生の講義に触れる機会となりましたが、時間が経つのを感じさせない語り口調で、知らず識らずのうちに講義に引き込まれていきました。とてもわかりやすく、同時に重要な事ばかりで大変勉強になりました。お忙しい中、私たち研修医のために徳田先生の貴重なお時間を割いて頂き本当にありがとうございました。

平成26年4月24日(木) 帝京大学医学部附属病院感染制御部 松永直久先生

感染症診療の基本
初期研修医1年 渡邉久美子
この春からレジデント生活が始まった私たち6人のレジデントにとって、院外講師による初めての研修医カンファレンスでした。
毎年当院にいらしてご指導くださる先生ということで、先輩レジデントとの間に発言しやすい雰囲気ができており、私たち1年目のレジデントも未熟ながらも積極的に参加することができました。
松永先生の講義では、感染症患者と向かい合う時だけでなく、全ての患者に対する治療姿勢を示していただいた気がします。まず自分でしっかり鑑別診断に至るためのPlanをたて、それから必要な検査を行うこと。そのためにしっかりと問診と診察をすること。きっと当たり前のことだと分かっていますが、現状は焦るばかりで患者から受け取るべき情報を取りこぼしていたり、何となくのオーダーを入れている自分がいるため、胸に響いたんだと思います。
教えていただいた「型」をまず身につけ、今の実力でもできることをしっかりと毎日積み重ねていきたいと思います。
そして感染症のこと。
感染症には必ず燃えているところがある!
抗菌薬を使う前に感染部位⇄微 生物⇄抗菌薬の三角形を考える!
「日々是血培 (2セットで)」!
薬の名前すらままならない暗闇の中にいましたが、考えるべきこと、やるべきこと、ってこういうことなんだなと少し霧が晴れた気がしました。

またご指導いただける日に、もう少し成長した質問ができるように精進してまいります。

 

■ 平成25年度 院外講師によるカンファレンス報告

平成26年2月27日(木) 帝京大学医学部附属病院感染制御部 松永直久先生

初期研修医1年 宗像 紅里
ついに今回4回目の松永先生の感染症カンファレンスが行われました。
まずは、松永先生による感染症のレクチャーをしていただきました。今回のテーマは救急外来でも目にする糖尿病患者の感染症についてでした。服で見えない部分までしっかりと観察することが患者さんの状態を正確に判断するには大切であると学びました。そのほかにも症例を交えて講義をしていただき、抗菌薬選びの考え方を見直すとてもよい機会となりました。
その後は研修医からの症例提示がありました。症例は呼吸困難を主訴に紹介受診された方でした。救急外来で対応をしていても、つい紹介状の内容が頭の中を占めてしまいがちですが、やはり目の前の患者さんをしっか見ることが大事であると感じました。また、今回の症例では症状すべてを一つの疾患で説明することができず、臨床の難しさを改めて実感しました。講義の内容をこれから生かしてますます精進していきたいと思います。
今回も私達研修医のために貴重なお時間を割いていただいた松永先生、本当にありがとうございました。
初期研修医1年 宗像 紅里

平成26年2月3日(月) 水戸協同病院 徳田安春先生

初期研修医1年 長瀬 秀顕
今年第二回目となります、水戸協同病院の徳田安春先生をお迎えしての症例カンファレンスです。我々レジデントが一例症例を提示してディスカッションしました。その後、先生によるミニレクチャーです。
今回の症例は意識障害・赤褐色の嘔吐を主訴とする血液透析導入中の高齢女性についてのものでした。意識障害、嘔吐それぞれについての鑑別疾患は出てきましたが、この二つの症状を一つの病態で説明しようとすると、なかなか難しかったです。頭蓋内病変、低血糖、内分泌障害、尿毒症、心筋梗塞etcといった疾患があげられましたが、どれも今回の症例とは考えにくく、もう一度現病歴や既往歴、内服歴を考え直しました。すると、帯状疱疹に対してバルトレックスを内服しており、バルトレックス中毒により意識障害をきたしたことにたどり着きました。鑑別疾患を考える際、その症例の現病歴や内服歴、家族歴等を一つずつきちんと考慮しなければならないと思いました。
ケースカンファの後は徳田先生によるミニレクチャーです。今回は、ちょうどこの時期流行中のインフルエンザについてです。私たちは救急外来でしばしばインフルエンザを考えた際に迅速検査をしますが、この検査結果が信頼に値するのかを考えるものでした。検査前確率が変動すると、迅速検査の検査後確率が大きく変動します。検査を施行するにあたって、感度・特異度・検査前確率等について考える必要があり、検査結果をきちんと評価しなければならないと勉強になりました。
今回学んだことを今後の診療に生かしていきたいと思います。ご多忙の中、我々研修医のために時間を割いていただいた徳田先生、本当にありがとうございました。